DANCING FOR DREAMS /水戸バレエ研究所、そしてフィンランド国立バレエ団へ

makijuha.exblog.jp
ブログトップ
2007年 11月 14日

粕谷辰雄先生

11月13日
恩師、粕谷辰雄先生の命日。
5年という月日が流れてしまったなんて...



水戸バレエの赤いドアを開けるだびに

”おや、真樹  お帰り”


先生の声が聞こえる。
まんまるの顔がにこやかに微笑むとき、
帰って来たのだと実感する。
何年経っても、変わらないこと。



水戸バレエ研究所50周年記念公演 ”白鳥の湖”が
最後の舞台になった。
苦しい闘病生活だったはずなのに、
やせこけた身体を、しゃんと伸ばして舞台に上がった先生。


f0141420_2234066.jpg




そして今年55周年”ジゼル”。
先生の大きなパネル写真を
舞台中央に降ろしてのカーテンコールには、皆が涙した。
先生が一番愛した作品。


f0141420_2262998.jpg




時々、その不在をひどく感じては
一種後悔に似た念に苛まれる時がある。


例えばシルヴィのジゼルを、
例えばキリアンやエックなどの作品を、
その素晴らしい機会を与えられる度、
見てもらいたかった...と。




5年前、最後になってしまったあの夏の日
それは湿気の多い、空気が重苦しい午後だった。

”真樹の所に行きたいんですよ”

そう言って、
キッチンにあるカレンダーを指差しながら
楽しそうに旅の予定を語った先生。
実現しないことは、分かりきっていたのに

”待っています”

精一杯の笑みで応えたこと
その絶望的な哀しみの感覚が蘇る。


この5年という月日に得た、山のような貴重な経験を
ほんの少しでも、共有出来たなら...
あのまんまるの顔は、きっと優しく微笑んだろう。

どうしようもならないことなのに
考えてしまったりする。
何年経っても、繰り返し繰り返し。

どうしようもならないことなのに



f0141420_2231328.jpg




粕谷辰雄先生
純粋に踊りを愛し、
その生涯を通じて、日本バレエ界の発展に尽力を尽くした。
偉大な舞踊家の思いは、
受け継がれていく。


遠い北の国で
ろうそくを灯す。
[PR]

by makikirjonen | 2007-11-14 04:45 |


<< 仕事のこと      故郷の味 >>