DANCING FOR DREAMS /水戸バレエ研究所、そしてフィンランド国立バレエ団へ

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カテゴリ:哀( 11 )


2009年 12月 20日

なす


10歳5ヶ月 66.5kg
ニューファウンドランド犬
12月17日午前11時永眠


ふさふさのお腹が静かに上下する
その規則正しい動きが
少しずつゆるやかに、そしてやがて永遠に止まってしまうまでの時間は
あまりにも正確に刻まれ
そしてあっけなくやって来た


ついさっきまで動いていたのに
まだ温かいのに
横たわった大きな茶色のもしゃもしゃは
まるで寝ているように
でももう二度と動かない
この選択はなすのためだということを
繰り返し思い出しては言い聞かせる
でも、抜け殻みたいな身体に力が入らない
感じるのは頬を伝わる液体の温かさだけ
ああ、
この身体を一体何度撫でただろうー


なすが眠りにつて3日
溢れる思い出の中
何だか何も言葉にならなかった
忙しくしていたお陰で、大分紛れてはいたけど
意識がゆるんだ途端に
不意にぽろぽろと涙が止まらなくなってしまう
そんなことの繰り返し


森を、毎日歩いたね
美しく晴れた緑の夏の午後を
冬の魔法のような色の朝日の下を
緊張から解き放たれた舞台後の、夜の静寂の中を
嵐の日も、熱があった日も、二日酔いの朝も
毎日、毎日、歩いたね
手が痛くなるまで念入りにしたブラッシング
好物のお肉を前に、鼻息荒く目を輝かせる姿
真っ白な雪の中に埋もれるのが大好きで
チョコレートケーキに粉砂糖をかけたみたいになってたっけ
悪夢を見てうなされたり、夢の中で走ってたり
幸せに微笑む日も
平和な平和な普通の日も
こらえ切れない哀しみに大泣きした日も
どんな日も一緒に過ごした
来る日も来る日も



ああ、
こんなんじゃ、書ききれるわけがないや



一体何度哀しい思いをしなきゃならないんだろう
じっと痛みに耐えながら
その寂しさや、苦しさや、辛さが
自分の身体に溶け込んでいくのをひたすらに祈りながら
時をやり過ごす



なす、本当にありがとう
いっぱいの愛をありがとう



また、会おうね




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by makikirjonen | 2009-12-20 21:18 |
2009年 12月 02日


I finally said the magic words...
I QUIT DANCING.


え?
貴女が?


オランダ学校時代の後輩
現在シュツットガルトバレエ団在籍
バレリーナになるために生まれて来たような子
学生時代は
彼女のその美しいラインに何度溜息をついたろう
まだ本当に幼かったけれど
舞台の彼女は、地上に降りて来た天使みたいに踊った


溢れんばかりの才能と若さと
でもー
駄目な時もある



なんだか、力が抜けた



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by makikirjonen | 2009-12-02 04:22 |
2009年 05月 06日

突然に


交通事故


ヴィオラ奏者の女の子
カナダから、妹と両親が遊びに来ていた
家族4人で歩道を歩いていたら
娘2人が車にはねられた
路面電車の線路まで吹っ飛ばされ
寸前で停車したトラムに
命を救われた


頭を縫った
幸運にも脳に異常なし
膝を手術しなければならないかもしれないらしい
妹も脳に損傷なし
ただ、鼻を強く打った為
味覚と嗅覚を失ってしまうかもしれないとのこと


運転してたのはお年寄り
アクセルとブレーキを踏み違えた
飲酒、ゼロ


家族の幸せが一転した
こんなことがあっていいんだろうか
あんなにいい子なのに
なぜ彼女に?
やりきれない気持ち
どこにもぶつけていいものか
ただただ一日も早い回復を祈ることしか出来ない自分


約束された未来なんてないんだったね
生きていること自体が奇跡なんだったね
また忘れてた
また当たり前になってた


突然、ものすごい疲労感に襲われる
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by makikirjonen | 2009-05-06 05:45 |
2007年 11月 24日

モーリス・ベジャール

モーリス・ベジャールさんが永久の眠りについた。

世界の振付家、数々の作品を生み出した巨匠。
バレリーナ中心のバレエ界において、
男性のポジションを引き上げたのはベジャールだったろう。
いつか踊ってみたい、憧れの振付家の一人だった。


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誰もが避けられない、死。
しかし、ベジャールは後世に生き続ける
その作品達と共に。


いつかこの生涯を閉じる時、
自分はどれだけの軌跡を残していけるのだろうか。
どんな形で、そして誰の心に。


ベジャールの冥福を祈って...
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by makikirjonen | 2007-11-24 01:44 |
2007年 11月 21日

さようならは言わない

ヘルシンキ、晴れ。
朝の太陽が眩しくて、思わず目を細めた。


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今日は、同僚アリアのお父様のお葬式。
彼女の哀しみを想うと、その美しい景色までが寂しく見える。
今日の舞台は、アリアのお父様を憶って踊る。
また一人の人間の生涯が閉じた。
地球は相変わらず回り続け、日常は繰り返される。

どんなに時が経っても、哀しみは色褪せない。
その”不在”に慣れてしまうだけで、always missing you.


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この在り来たりのない日常を、とにかく懸命に生きたいと願う。
喜びや感動のような、特別な感情だけじゃなくて
寂しさも、怒りも、憤りも、不安さえも
そのすべてに精一杯でいたいと思う。
生きていることに全力でありたい。

さようならは言わない。
いつかまた出逢う時があると信じたい。
そしてその時は、笑って抱きあえるように
今を生きたいと切に願う。
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by makikirjonen | 2007-11-21 06:57 |
2007年 10月 03日

点滅していた電話。
メッセージ有り。


嫌な予感がした。


母の哀しみに満ちた声が、静寂の中に響く。
後輩であり、大切な友人のお母様が亡くなった。


全身の力がすっと抜けた。
頭の中が真っ白になって、しばらく座り込む。
さっきまで美しいと思った空は、哀しみの色に染まる。


ユハは、学校で教えの日。
家に一人、着替えもせずに、洗濯機を回して、洗濯物をたたむ。
掃除機をかけて、鏡を拭いた、花にも水をやる。
夕食の下ごしらえが終了した時、不意に静けさに気がついた。
愛犬なすが、足下に寝そべっている。
その横顔があまりにも可愛くて、
そっとその柔らかい顔を撫でた途端に涙が出て来た。


素敵な人だった。
厳しい闘病生活を、気丈に生き抜いた。

”娘をお願いね”

そう笑顔で言った。
会う度に、必ず笑顔で言った。



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哀しみが、波のように押寄せる。
あまりに若い死は、哀しみも更に深く重い。
友人を想うと、居ても立ってもいられないのに、
何も出来ない私。


恩師粕谷先生のお葬式の時、
人の目なんかおかまいなしに、
私に抱きついて激しく泣きじゃくった彼女。


あの娘のことだから、今頃きっと泣いてるんだろう。
ただぎゅっと、抱きしめてあげたかった。


哀しみに包まれた夜は、静かに更けていく。
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by makikirjonen | 2007-10-03 06:10 |
2007年 09月 15日

疲労

週の終わりはきつい。
疲労もたまって、気持ちにも余裕がなくなってくる。

一日中、色んなリハーサルにたらい回し...
同時間に3つの違うリハーサルが入ってた今日。
どれに行けばいいのかさえ分からない始末。
このリハは、こっちの作品に、このリハはあっちの作品に。
言われるままに、踊って踊って踊る。
あ〜、何一つきちんと出来てない。

"Last July"の作品に、パ・ド・トロワと言って、3人で踊るところがある。
私と、男性2人...そのパートナー(相手)も分からない状態。
リハーサルでは、毎回違う人とやってるから、なかなか息が合わない。
本番は来週の金曜なんだけど...

毎週金曜に、翌週のスケジュールが発表になる。
月曜からギエムが来るということで、来週はさらに滅茶苦茶なスケジュールだった。
何かあまりの凄まじさに、予定表を前に泣きたくなったほど。
今同時進行で練習してる作品は、素足、スニーカー、そしてトウシューズ。
動きも、テクニックも、スタイルも、何もかもが全く違う作品達。
それを短時間で切り替えて踊る。
うまく行くわけがない。
全ての演目に起用してもらってるのは、本当にありがたいし喜ばしいことなんだけど
今、ちょっとしんどい...

頭も、身体も、心も、交換出来たらいいんだけど。

そんなこんなで疲労大なとこにきて更に
同僚からの嫌みな一言を頂いたからたまらない。
もうガックリと力が抜けた。
彼女には、本当にやられるんだよね。
私は精一杯気を遣ってるんだけど。

明日は、土曜日で1時まで。
お風呂に入って、ワインでも飲もう。

疲れた身体も心も、休めてあげよう。
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by makikirjonen | 2007-09-15 04:52 |
2007年 09月 07日

ルチアーノ・パバロッテイ 



世界的なイタリア人オペラ歌手で
「3大テノール」の一人として知られる
ルチアーノ・パバロッティ(Luciano Pavarotti)が
亡くなられた。

パバロッテイと言えば、トウーランドット(Turandot)
私は真っ先に思う。
第3幕、カルフのアリア
”誰も寝てはならぬ”(Nessun dorma)は、
イベントごとに歌われていただけあって、
とても素敵。
CDを引っ張りだして、改めて聴いてみる。


偉大な才能がまた一つ散って行く。

ご冥福をお祈り致します。
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by makikirjonen | 2007-09-07 02:03 |
2007年 09月 06日

痛!



昨日から、何となくおかしかったんだけど...
今朝起きたら駄目だった。

溜息

今回は、左の足の付け根。
膝を曲げた状態で、足を上げる事が出来ないっ。
靴下も、ジーパンも、履けない!!!

朝の稽古のバーレッスンだけは受けたものの、痛い。
炎症が起きているらしい、理由は100もある(笑)
いつもどこか痛いけど、この痛みはまずい痛み。

と言うわけで、大事を取って明日から3日間のオフ。
ギエムが来た時に踊れないと、チャンスを逃す事に...
今休んでおいた方が◎
まだシーズン始まったばっかりなのにな。

沈んでもしょうがないから、しっかり休養。
ジムにでも行くか。
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by makikirjonen | 2007-09-06 03:56 |
2007年 09月 01日

旅立ち

ユハのお婆様の妹さん、アグダ(Agda)のお葬式。

ヘルシンキから50km強、
ロヒヤ(Lohja)という町で弔われた。
ユハの両親と4人で向かう。


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享年83歳、前日まで元気だったという。
3人の娘に、7人の孫、3人の曾孫まで。
天寿を全うした。

私は一度もお会い出来なかったけど、
素敵な女性だったということは、参列者の涙でよく分かった。
皆に愛されて...

フィンランドは、土葬。
参列者が一人一人、花とともにお別れを言う。
棺は、美しい花々に埋もれて、見えなくなった。


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式の後、コーヒーとケーキが振る舞われる。
アグダの旦那さんの膝には、
まだ1歳にもならない双子の曾孫が。
哀しみの中の希望に、思わず笑みが浮かぶ。

生と死。


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秋晴れの青空は、抜けるように高い。


すぐ近くに彼女が居るような気がして、
木漏れ日の向こうに、目を細めた。



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by makikirjonen | 2007-09-01 23:43 |